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『一般社団法人 全国非常用発電機等保安協会』は防災の要であり、災害時に人命救助の生命線となる「非常電源設備」の
法令点検検査を推進し、地域社会の防災意識を高め、企業のコンプライアンス遵守を促す活動を行っています。

法令点検検査


非常電源設備の法定点検

非常用発電機の機能を維持し、非常時に適切に運転させるためには、保守管理を適切に行わなければいけません。
発電機の保守点検は、建築基準法、消防法、電気事業法によって規定されていますので、これに準拠しつつメーカーが示す必要な点検・修繕を行う必要があります。

建築基準法による規定
建築基準法では「建築士」「建築設備点検資格者」により、6ヶ月~1年の周期で点検を行い、特定行政庁への報告が必要です。
外観、性能の確認を行います。
平成20年3月10日、国土交通省告示第285号にて最新の点検内容、報告様式が示されています。
定期報告しない、又は虚偽の報告をした場合、罰金を課せられることがあります。

消防法による規定
消防法では、「消防設備士」「消防設備点検資格者」により、特定防火対象物の場合1年周期、それ以外の場合は3年周期で 点検を行い、点検結果報告書と点検票を作成しなければいけません。
点検報告しない、又は虚偽の報告をした場合、同様に罰金を課せられることがあります。

電気事業法による規定
電気事業法では、非常用発電機を設置するものが、電気主任技術者が作成する保安規定に準じて点検を行います。
一般的には、建築基準法や消防法、または変電設備の点検に合わせ、1年に1回程度の点検に含むこととします。
電気設備を適正に運用するための点検なので、日常点検、定期点検、精密点検を実施し、異常がないことを確認しながら使用することになります。
保安規定違反をした場合は、経済産業省より技術基準適合命令が罰則として課せられるおそれがあります。


非常電源設備の法定点検に関する罰則規定
※消防法では施設管理者のみならず、建物の所有者、オーナーにも刑事罰が科せられます。

「新宿歌舞伎町ビル火災」以降各種法令が強化


この火災を契機に消防法が改正されました。主に次のとおりです。
・24時間いつでも事前通告なしに立ち入り検査できます。
・使用禁止命令等を発動する要件が明確化されました。
・避難障害となる物品の除去等について消防史員がその場で命令できます。
・消防法違反で命令を受けた場合は、その旨の標識を消防機関が設置しなければなりません。
・オーナー責任の罰金は、最高1億円です。
・防火対象物を1年間点検する制度が創設されました。



消防法令強化 改正履歴と背景

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消防法における非常用自家発電設備に関する法令の強化履歴
消防法(しょうぼうほう、昭和23年7月24日法律第186号)は、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」(1条)を目的とする法律である。

昭和36年消防法施行令の制定により、消防用設備等の規制が全国的に制度化されました。
しかし、その維持管理については明確な基準がありませんでした。
こうした中、昭和47年の千日デパート(死者118名・負傷者81名)、昭和48年の大洋デパート火災(103人が死亡、124人が重軽傷)等の大惨事が起きました。

これら災害拡大の原因のひとつとして、消防用設備等の機能不良や管理不適等による使用不能などの自主管理の不備が指摘されました。
そして、消防用設備等の保守の徹底を期するため、点検報告制度が法制化され、昭和50年4月1日から施行されました。(消防法第17条の3の3)

<平成13年9月 新宿歌舞伎町ビル火災>
延べ面積500m2程度の小規模なビルで発生したにもかかわらず、死者は44名に上った。
大惨事に発展した原因は、「ビル内の避難通路の確保の不十分」であるとする消防法違反。
ビルオーナーは民事・刑事訴訟にて厳罰を受けた。
上記の事故を受け、法令が強化されました。
平成14年4月改正、平成14年10月施行
火災の早期発見・報知対策の強化
自動火災報知設備の設置義務対象が従来より小規模なビルにまで拡大され、機器の設置基準も強化された。

1. 違反是正の徹底
消防署による立入検査の時間制限撤廃や、措置命令発動時の公表、建物の使用停止命令、刑事告発などの積極発動により違反是正を徹底することとした。

2. 罰則の強化
違反者の罰則は、従来の「懲役1年以下・罰金50万円以下」から「懲役3年以下・罰金300万円以下」に引き上げられた。
また、法人の罰則も、従来の「罰金50万円以下」から「罰金1億円以下」に引き上げられた。

<両罰規定>従業者(法人の代表者、法人の代理人、法人の使用人、人の代理人又は人の使用人など)が、事業主(法人又は人)の業務について違反行為を行った場合、違反行為をした従業者を罰するとともに、事業主も罰することを定める規定です。
直接の行為者ではない事業主が罰せられる理由は、事業主に従業者の選任、監督などについての過失があったと推定されるためです。
なお、事業主は、必要な注意を尽くしていたことを証明できないかぎり罰せられることになります「消防法第45条」

3. 防火管理の徹底
防火対象物点検報告制度が創設され、年1回は有資格者(防火対象物点検資格者)による入念な点検と報告が義務づけられた。

現状
平成23年東日本大震災において多くの非常用発電機が正常に作動しませんでした。
平成7年阪神・淡路大震災の際にも20%以上の非常用発電機が正常に作動しませんでした。
このような現状を受け、消防庁を中心に点検基準の強化等の検討会が行われています。

【南海トラフ巨大地震・首都直下地震等に対応した消防用設備等のあり方に関する検討部会】
老朽化した自家発電設備・消火ポンプ等への対応
(平成25年度検討)
●自家発電設備
「年1回総合点検の際に30%以上の負荷運転を行う」とする点検を「設置後30年を経たものに対して行う点検として定格負荷で60分運転して異常がないこと」と強化する検討。

(平成25年度検討)
●自家発電設備
長期間設置されていると、シリンダー内にスス等の汚損が溜まることから、分解点検や高負荷運転により機能を確認する必要がある。
設置後30~40年程度の長期間を経過したものについては、点検を行うことが望ましいが、点検を行うべき時期についての十分なデータが得られていない。
一方、高負荷運転については、大型の擬似負荷装置を要する場合があり、また、営業時間中の長時間の点検は困難であるといった指摘もある。
また、分解点検については、分解のためのクレーンの手配や、分解するためのスペースの確保が困難といった指摘もある。
点検に係る負担にかんがみ、今後、点検を行うべき時期についての調査分析を行い、結果が得られ次第、点検基準の強化を図ることが考えられる。
消防用設備等は火災時に重要な役割を果たすものであり、その劣化対策に関しては、関係団体と連携して、各消防用設備等の経年劣化、事故等の状況を十分調査するとともにその状況を踏まえた、点検基準のあり方について具体的な検討を進める必要がある。

【消防用設備等点検報告制度のあり方に関する検討部会】の設置(平成25年)

以上

消防法における罰則規定一覧(予防分野)

1 消防法に基づく命令に違反した者に対する罰則規定

2 消防法の規定に違反した者に対する直接の罰則規定
(注1) ※~3については、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第45条各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
※1 1億円以下の罰金
※2 3,000万円以下の罰金
※3 各本条の罰金
(注2) 共同防火管理協議事項作成命令(第8条の2第3項)及び共同防災管理協議事項作成命令(第36条第1項において準用する第8条の2第3項)については、罰則規定なし。